そもそもjQueryとは？
jQueryは、JavaScriptをより効率的に、より簡単に書くためのライブラリです。これにより、より少ないコードでより複雑な機能を実装できます。
jQueryはかつてウェブ開発において非常に人気のあるライブラリで、クロスブラウザの互換性問題を解決し、DOM操作などを簡単に行えるように設計されていました。
jQueryはなぜ不要になったのか。
モダンブラウザの進化
jQueryが誕生した当時、ブラウザ間の差異が大きく、同じコードが全てのブラウザで同じように動作するとは限りませんでした。jQueryはそのような互換性問題を抽象化し、開発者がクロスブラウザのコードを簡単に書けるようにしました。しかし、現在の主要なブラウザは標準をより厳密に遵守しており、互換性問題は大幅に減少しています。そのため、jQuery無しでクロスブラウザのコードを書くことが容易になっています。
新しいフレームワークとライブラリの登場
React、Vue.jsなどのモダンなフレームワークやライブラリが登場しました。これらはコンポーネントベースのアーキテクチャを採用しており、UIの再利用性と保守性を向上させ、より大規模なアプリケーションの開発を可能にしています。これらのフレームワークやライブラリは、jQueryが提供するよりも洗練されたパターンとツールを提供しています。
JavaScriptの進化
ECMAScript 2015（ES6）以降、JavaScript自体が大幅に進化しました。クラス、モジュール、プロミス、アロー関数、テンプレートリテラルなどの新機能は、jQueryが提供していた便利な機能の多くをネイティブでサポートしています。
パフォーマンスとファイルサイズ
jQueryは多くの機能を提供していますが、その反面、ファイルサイズが大きくなりがちです。これは特にモバイルファーストの設計が重要となる現代のウェブ開発においては大きな問題となります。また、jQueryのメソッドは便利ですが、ネイティブのDOM APIを直接使用するよりもパフォーマンスが劣る場合があります。
学習コスト
jQueryを使用すると、JavaScriptの本来の動作やDOM APIから離れた形でコードを書くことになるため、初学者がJavaScriptの基本的な概念を理解するのが難しくなる可能性があります。また、現在のフロントエンド開発のトレンドはReact.jsやVue.jsなどのフレームワークに移っていますので、それらを学ぶ方が将来性があると考えられます。
まとめ
以上の理由から、多くの開発者や組織はjQueryではなく、モダンなフレームワークやライブラリ、またはVanillaJS（フレームワークやライブラリを使用しない純粋なJavaScript）を選択しています。ただし、jQueryは依然として多くのウェブサイトで使用されており、そのコードベースをメンテナンスするために必要なスキルと必要になることもあります。
